築古マンションの巾木施工のむつかしさ

築古マンションでは巾木の構造を知っておくと便利

DIYでフローリングをやり直す、とした場合もそうですが、巾木の存在がどうしても避けて通れません。
その構造を、特に築古マンションで最悪のケースはこれだっていうのをひとつ。

中古マンションにありがちな巾木施工って?

巾木というものを以前もご紹介させていただきましたが、ものとしては非常に簡単なものですよね。

巾木に関する記事はこちら → フローリングに合う巾木を選ぶ!

 

はい、実に単純ですし、そこまでこだわる必要もなさそうなんだけど、とお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

いやー、巾木をなめちゃいけません。壁際ぐるっと一周しているこやつらは、結構目だったりしますし、掃除の際にはかなりの役割を果たしてくれますから。

築40年近くもするマンションで若干ありがちなことをひとつ、こちらで記述しておきます

巾木構成巾木とフローリングとの位置関係はすでに把握されたことと思います。

フローリングの端を覆うように、壁一面ぐるっと引回されています。

で、この関係よりフローリングを施工しようとすると、必然的にこの巾木をとっぱらう必要があります。でなければ、オーバーハングになってしまっているので、解体取り出しも施工も厄介ですよね。

取り出すときはフローリング材を壊してしまえばいいので、何とでもなるように思いますが。

施工の際は最後に一枚のフローリングを合わせこむにも、上からかぶってしまっているので、取り付けるスペースがありません。

ではどうすのか。

いったんこの巾木はすべてはがします。

40年も取り換えていない巾木ですので、どのみちこちらも汚れたり古ぼけたりしていることでしょう。

コンクリに打ち付けられた巾木もバールで一発

取るのは簡単です。

強引にバールか何かではがしてしまえばよいだけです。

ただし、こちらも接着剤やビス、釘やらで止めてあるので、一度はがしたらもう使い物になりません。ボロボロになっていることでしょう。

で、その巾木の施工方法をもう一度確認すると、築40年くらいのマンションになってしまうと、そもそも床がフローリングではなく、カーペット敷がきっとデフォルトの仕様なのかと思います。フローリングももちろんありますが。

で、その周りに巾木が施工してあります。

この場合、巾木の役目として、フローリングに求められている隙間埋めの役割はなく、完全に壁に何かがぶつかってきたときのガード、ということになります。

で、何が厄介なのかというと、その巾木は、施工するのものがカーペットという前提のもと、壁に埋め込まれているものがあるのです。

巾木が壁に埋め込まれているとどうなるのか?

中古巾木構成(画像をクリックで拡大します)

先ほどもいったように、昔のマンションはカーペットがデフォルトの仕様になています。カーペットとなると、施工は巾木が先だろうがあとだろうが、どちらでも構いません。

で、築40年(1980年代)となると、巾木の種類がほぼ木製になってきます。今のように簡易なものがないという時代でしょうか。

自由度が最も少ないというわけです。そこで施工するときにどうするかというと、そのまま壁に埋め込んじゃえ、といったところでしょうか。

その構成はというと、コンクリの壁、床に対して直にボード(壁紙)、巾木、カーペットが付けられています。そして巾木の取り付け方としてはコンクリに埋め込まれた形となります。特に、筐体としてコンクリ施工されている部屋の巾木は、特にこのようになっています。

廊下に至っては、ボードのがなく、コンクリ直に壁が身という場合もあり、そうなるとますます巾木の埋め込みの深さは深くなります。大体深いと1cm弱くらいでしょうか。







巾木取り除き壁に埋まった巾木は、とっても、とらなくても厄介

はそうなってしまうと、はがしても厄介、はがさないと施工できない、という状態になってしまいます。

例えば、巾木をはがした場合、そのコンクリの地の部分は当然凹みます。ボードがあれば、なおさら段差が顕著になります。

そうなると、そこを埋める必世があります。埋めるといっても、その凹みの寸法だって適当です。

深かったり浅かったり。また厚みの合う材料を探すだけでも面倒です。1mmのベニヤを重ねたりとか、ほんとに面倒です。

じゃぁ、もうそのままにして上から施工、となると、それはそれで出っ張ってしまっているので、こちらも面倒です。

フローリング施工シリーズのところで、簡単に巾木を施工する、と書いていましたが、実はこれほど巾木もめんどくさいものだった、ということですね。

いえ、そういう物件もありますよ、という話です。「も」ありますよ、ではなく、これまで1980年代初期の物件の4件中2件がこのような仕様でしたね。結構な数ですよね。

壁に埋まった巾木の仕上げのむつかしさ

そのまま巾木施工(画像をクリックすると拡大します)

上で簡単に巾木の施工はむつかしい、としましたが、ちょっと詳しく説明します。もし、フローリング施工をDIYで行う人がいるようでしたら、参考にでもなればと思います。(あまりフローリングはDIYしないほうがいいと思いますが。。)

で、巾木は仕上げのむつかしさがあります。

まずは、そのまま施工した場合。この場合は元の巾木が壁より出っ張っているために、巾木が浮いてしまいます。



その壁と巾木の隙間を埋める必要があります。この出っ張っている量が数ミリなら何とかなりますが、5mm以上となると、板を埋めるかしないとだめですし、見た目も巾木自体が出っ張りすぎになるので、施工業者も選ばないと思います。

こちらの施工はあまり考えられませんね。

現実的には、下記のような方法になるかと思います。

巾木のコンクリ凹みを埋めながら施工する

外して施工

(画像をクリックで拡大します)

標準的には、元の巾木は外すことになるかと思います。この外す作業も業者がもちろんやりますし。

で、その凹みの深さに合わせて板を埋め込んでいきます。つけ方は、接着になるかと思いますが、見えないところでもあるので、がちがちに接着してくれるはずです。

で、ボートとの面を合わせてその上に新しい巾木を施工、といった流れになります。この深さが一定であれば問題ないのですが、これがけっこう斜めっていたりしますし、このあたりは正直面倒なところです。

もし、DIYでやろうなどと思っている方が見えましたら、、フローリングだけは業者を呼んで職人さんにやってもらったほうがいい、とだけお伝えしておきますね。ほんとに。

で、壁に巾木を貼れる状態にするだけでもむつかしいのですが、実はまだむつかしい点があります。それは仕上げのむつかしさでしょうか。

 

ちょっと長くなってきましたので、今回はその構成だけでもというところで終わりにさせてください。

それでは、次回は仕上げのむつかしさについて記述していきますね。







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