カーペットからフローリング張り替えの問題点とは?
フローリングのシリーズとして、今回はカーペットからフローリングに張り替え施工した場合についてをいろいろお話していきたいとおもいます。
基本となるフローリング張り替えについてはこちらを参考にしてくださいね。
中古マンションのカーペットからフローリング張り替えは、結構な労力が必要になる工法です。
カーペットにはLL45相当の防音機能がある
なぜなら、マンションの防音規格のLL45という規格はご存知かと思いますが(詳しくはこちらをクリック!)、カーペットの場合、スラブ(マンションの構造体であるコンクリ)に直接カーペットを敷いても、そのカーペット表面がクッションとなるため、これだけで規格を容易にクリアできるのです。
なので、もしカーペットがスラブに直に貼ってある場合は、これに代わる防音材を入れる必要があります。
それが一気にハードルを上げてしまう要因になっていますので、なかなか施工しずらくなってきます。
スラブ直貼りではない場合は、その構成としてはスラブに根太が這わせてあり、そこに下地合板が敷かれ、その上にカーペットが施工してあるという構成になります。
防音フローリングとカーペットの厚みが問題
この場合においても、当然カーペットがなくなることによる防音規格をクリアするために防音材を施工しなくてはなりません。
畳同様、それ自体が防音材の役割を果たしているために、なかなか施工がむつかしくなる現実があります。
例えば、カーペットの部屋と、もともとフローリングの部屋とが一続きになっていたとします。
左の図(クリックで拡大します)のような構成になっており、フローリングとカーペットの下地合板との高さは基本的には同じになっているはずです。
フローリングとカーペット下地高さがどうなっているか
そのカーペットをはがしてフローリングを新たに施工しようとした場合、防音材が必要にあるため、カーペットをはがした後の下地合板に対して防音材を施工する必要があります。
そうなると、隣の部屋に施工されいるもともとのフローリングと防音材を敷いて新しく施工したフローリング厚さ分の段差ができてしまいますよね(左の図)。
(注:この図からすると元のフローリングには防音施工がないじゃないか!となりますが、おそらく防音規格がないうちに施工されたものと思います。よくあります。というか昔のマンションはほとんどこのようになっています)
なので、カーペットの部屋だけ防音施工すればいいと考えがちですが、結局は、続きの部屋の床も防音施工する必要が出てきてしまうわけです。
この場合、当然もともとのフローリングが下地になるわけですね。
また後ほど記述しますが、畳の部屋を変える場合も、同様な高さ問題が発生します。
フローリング+カーペットの続き間のレベル合わせ
スラブに直接カーペットの貼ってある部屋は、フローリングの部屋とは続き間になっていないとは思いますので、大丈夫かと思いますが、間取り変更して、二部屋ぶち抜いて広々としたLDKにしたいという場合は注意が必要になります。
もともと直貼りになっているところは、フローリングが根太工法になっている部屋とは段差がありますから。(中古マンションではたまに見かける状態です。バリアフリーからは程遠い感じですね)
こちらの場合も、カーペットを外したのち、かさ上げして、防音施工床ともともとのフローリングとのレベルを合わせる必要があります(上図の主根太、根太をスラブに追加します)。
正直なところ、防音施工の面と、もともとの面を合わせるよりは、全体の下地レベルを合わせてから全体に防音材を敷いてしまったほうがいいですね。
なぜなら、防音材は絶対にクッション性を持っています。
もともとのフローリングの部屋=下地が固い、状態と、あとで施工した下地がクッション性を持った防音材となった場合、その境目で必ずひずみが生じます。
なので、お勧めできません。
マンションでのフローリング施工に必要な防音材とは?
中古マンションのフローリングリフォームで必ず出てくるハードルが、LL45規格です。
これは何かというと、軽量音に対しての防音規格です。フローリングにスプーンを落としてしまった場合になる、カーン、といった乾いた高い音です。ほかにも、椅子を引いたときにガタタ、といった音です。
こういった比較的軽くて高い音の防音規格になります。
一方LHといった、子供が飛び跳ねておこる、重たいドスンというは残念ながら防音できませんし、こちらの音についてはマンション規約に指定されているこはほとんどありません。
マンションの防音規格はLLの軽量音に対してだけ
なぜなら、こちらの重量音に関してはスラブという構造体のコンクリの厚さも関係してきまして、こちらを変更するのは不可能なので。
この薄いスラブで重量音までクリアしろ、というのはちょっとむつかしいのが現状なので、そのあたりはそのご家庭で配慮するしかありませんね。
あと、例外的な話をすると、1階であったり、もしくは1階が駐車場になっているような2階に住んでいる方は、この防音施工の対象にならないことがおおいので、そのあたりは管理組合に問い合わせが必要です。
カーペットに代わるLL45の防音材は何があるのか?
で、防音材には何があるか?
もっとも簡単明快なのが、防音フローリングです。
こちらは大手材料メーカーが作成しており、そのデータもありますし(マンションによっては、規格がクリアできている試験データなどが必要になったりします)、大手っていうことでそれなりの安心感がありますよね。
その防音フローリングを直接施工する、というものです。それだけで、スラブにじかでもいけますし。
ただ、値段が高いのが難点です。某メーカーの材料を定価で買ってしまうと、1坪50000円近くしてしまったりします。ただ、防音に関してはそれだけ出費が必要、ということなんですね。
下地に防音材を使えば無垢フローリングも施工可能です
次に、下地材に防音材をつかう、という方法。
こちらはいろいろな方法があります。
防音材の種類がそれぞれで、代表的にはゴム材があります。下地材、ゴム材、フローリング用下地、フローリング、というように層構造にするものです。
ゴムでなくて、クッションでもありますし、それらが一体になった材料も売っています。もちろん、高価ですが、先ほどの防音フローリングよりは安いです。
ただし、施工費がそれなりにかかるのは必至ですね。
カーペットに代わるLL45の防音材もいろいろあります
次に、接着剤風に施工できるゴム材もあります。
下地合板の上に接着剤のようなチューブ状のゴムを塗って、その上にまた下地合板を貼る。その上にフローリング材、という形になります。
わずかなゴム層や空間が緩衝材になるのでしょうね。こちらも、結構なお値段がしますが、施工は簡単です。
施工値段まで進みませんでしたが、ざっと防音施工についてはこんなところでしょうか。
とりあえず、中古マンションではそれぞれ規約がことなってきますので、まずは管理組合に問い合わせが必要になります。
一番確実なのは、防音フローリングを用いることでしょか。ただ、床面はふわっふわになります。もう半分板ではないですねw
そういったデメリットはありますが、仕方ないですね。